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戦略

「戦略」という言葉をよく耳にすると思います。みなさんも何気なく使っているのではないでしょうか?
では、一体、「戦略」とはどういうことでしょうか?
先人の知恵を少し紹介しておきます。

・マイケル・ポーター
競争戦略の本質は差異化である。意図的にライバルとは異なる一連の活動を選び、独自の価値を提供することである。

・某コンサルティング会社
戦略とは、持続的な優位性を構築するための整合性のある一連の行動である。

・クラウゼビッツ(プロイセンの軍人)
戦略とは、個々の戦闘を戦争の目的に結び付けることである。

・三品和広(神戸大学教授)
戦略とは、競合他社と派手に利益の分捕り合い合戦を演じるものではなく、新たな市場取引を創造し、それによって人々の幸福度を増進させるもの。変わりづらい企業の長期利益を成長させるものである。

ふだん、何気なく使っている「戦略」というある意味、とても便利な言葉ですが、上記のように専門家という人たちからみても微妙に捉え方が違っています。

これを、一般的なレベルまで広げて考えてみると、実は「戦略」という言葉が、間違った捉え方をされれいるケースを目にすることになります。

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「良い戦略 悪い戦略」リチャード・P・ルメルト著では、戦略が目標設定やビジョンと混同されがちなこと、悪い戦略を例を挙げながら説明し、強い戦略の立て方、戦略思考方法などを解説してくれます。


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この本の中で、戦略は「単純かつ明快」であって、目前の状況に潜む一つか二つの決定的な要素に対して、こちらの打つ手の効果が一気に高まるポイントを見極め、そこにリソースを集中することに尽きる、と言っています。つまり死活的に重要な要素を見つけて、競争優位な状況を作り出すことなのだと思われます。

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戦略は、また、いろんな角度から見ることができます。
「Harvard Business Review Best10論文」の中にも、「ブルーオーシャン戦略」W・チャン・キム、レネ・モボルニュや「戦略の本質」マイケル・E・ポーターなどが、興味深い研究成果を教えてくれます。
「ブルーオーシャン戦略」では、ブルーオーシャンとレッドオーシャンとの戦略行動の違いや、ブルーオーシャンは、既存市場の境界を押し広げることから生まれやすいということや、模倣者を寄せ付けない戦略行動について説明しています。
「戦略の本質」では、サウスウェスト航空やイケアの企業研究を通して、戦略ポジションの取り方や、戦略の本質は、トレードオフを作り出して、何をやらないかを決めることと教えています。

また、書籍としては見つけられていませんが、ウィルソンラーニング社が開発したと言われている「Target Account Selling、TAS式営業戦略」は、勝つ確率を上げる、泥臭く、人間臭い、実質的な営業戦略の立て方を教えてくれます。
詳しくは、下記URLを参照ください。

「営業活動における勝率向上の方法論」

この中のポイントは、まず、勝率を上げていくためには、「情報」が何より重要であること、必要な情報は、孫子の「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」を実践するための情報であって、私は実習にも立ち会ったことがあるのですが、いかに現場の営業さんが普段の営業活動で必要な情報が取れていないかがわかります。
その情報に基づいて戦略を立てていきますが、多くの現場の状況は、すべて真っ向勝負をして、すべての戦いで完全勝利だけを考える傾向が強いのですが、真っ向勝負は、商品やサービスで圧倒的に優位性があるときだけと説いています。情報をもとに、きびしい戦いであることを予想し、側面戦略や部分的に勝ちを取りにいったり、場合によっては撤退を決断します。リソースを無駄にしないという観点から、撤退の決断は非常に重要だと説いています。
何より興味深いのは、顧客の公式な組織図と、その組織図と少しずれた現実の組織図(それぞれの人間性、人間関係を知ったうえでの実質的な決定プロセスを左右する組織構造)を理解することの重要性、その現実の組織図を使って、普段から正しい「情報」をどうつかんでいくかというような話で構成されているトレーニングプログラムです。

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このトレーニングと出会ったのは、もう10年以上前になりますが、その後の私の人生に大きな影響を与えました。組織の中での活動、企業人としての考え方を根本から考え直すきっかけになりました。

戦略という言葉とは、企業人である以上、長く深く付き合っていかなければなりません。まず、自分が戦略というときに、戦う場所はどこで、「勝つ」ことの意味をよくよく考えてみるようにすることが重要だと思うのですが、その感覚を身につけるには、上記のような知識をしっかりと身につけることではないかと思います。

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