経営学で見失った自分を取り戻す

現在はエンジニア受難の時代と言えます。
ここ10年くらいに起きた日本のエレクトロニクス企業の不振は、何を物語っているのでしょうか?
今は持ち直しつつあるものの、一時期の勢いを失っているSony、日本中、いや世界中がその先行きを注目しているシャープや東芝に起きたことは、もはや他人事ではありません。

特にシャープのケースも東芝のケースも、経営者の失態、あえて言えば体たらくが会社の状況悪化を加速させる原因になったことは明白です。

日本企業にも、もちろん優秀な経営者はいます。でも、エンジニアの側から見たときに、つい勘違いしてしまうのは、一流企業の経営者はみんなそれなりに優秀なはずだと思い込んでしまうことです。つまり、どんなに大きな看板を背負っている会社であっても、優秀でない、あるいは経営がしっかりとできない経営者は山のようにいるということです。

いわゆる大量生産の時代は、少しずつ終わりを迎えようとしています。おそらく西暦2000年を超えたくらいから、ゆっくりと終息に向かい始めたと思われますが、ハードウェア、デバイスや機器の発明によってヒットが生まれる頻度よりも、徐々にGoogle、Amazon、Facebook、Airbnb、ウーバーなど、サービスやビジネスモデルを変革するようなイノベーションが我々のワークスタイルやライフスタイルを大きく変えるようになってきました。つまり、ネットワークの急速な進化(IoTによってあらゆるものがネット接続されつつある)、ビッグデータ解析やAIによる大革新への期待や逆にムーアの法則の終焉、多様性の広がりなどによって市場や競争原理が一気に複雑化し、半導体やデバイスの進化によって万人に共通の価値向上を作っていた時代から、顧客ごとの多様性にフォーカスした新しい価値向上を、これまでになかった企業と顧客の関係性構築を進めながら作っていくという考え方が求められるようになってきました。

いずれにしても、前述の日本エレクトロニクス企業の経営は、その変化にうまくついていけなかったということの表れなのかもしれません。デバイスや機器の革新と大量生産で利益を上げてきた成功体験が忘れられない、あるいは、中国、台湾、インドなどの新興勢力がここまでのスピードで追いつき、世界の変化に追随しながら日本を追い越していくことを予想できなかったということかもしれません。

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一方、エンジニアの立場はというと、2000年前後の半導体の超急速度の進化によって、電子機器のシステムが肥大化し、かつ大量生産時代に勝ち残るために、開発の効率化を究極的に求めるために、細分化されたサブシステムのみの専門家を多量に作ってしまい、結果として開発のオートメーション化(本来、開発はオートメーション化されてはいけないもの)のひとつの歯車にされてしまう傾向があちこちに見られるようになりました。システムを思考する、新しいシステムを自分の想いや能力で作り上げる力がなくなっていったのです。

要するに、そういう時間を5年、10年使わさると、つぶしの効かないエンジニアになってしまう危険性と直面するわけです。言われたことさえやってればいい、という人たちは、昔ももちろんいましたが、その割合が非常に大きくなっていると言わざるを得ません。極端な言い方かもしれませんが、会社、言いかえるとだめな経営に一部のエンジニアが飼い殺しになってしまっている、あるいは、そうなりつつあるのではないかと私は考えるようになりました。

日本のエレクトロニクス企業は、こうやってだめな経営者と、つぶしが効かなくなろうとしている多量のエンジニアによって、なかなか再起が出来なくなっているのが現状だと思います。

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ではどうすればいいのでしょうか?

エンジニアのみなさん、会社に、そしてだめな経営者につぶされないためには、会社(あるいは今の経営者)と対等な立場に一日も早くなるということです。

「そんなの無理だよ」って思ってるかもしれませんね。私はなにも、上司にゴマをすって高い人事考課を得て、早く出世しろと言ってるのではありません。

簡単です。技術と同じくらい「経営」つまり「経営学」を勉強することです。
「経営にものを言う」エンジニアになりましょう。そうすると、自ずとエンジニアとして自分がどうしなければいけないかもわかるはずです。

ちょっと前に、テレビのコメンテーターが、学歴を偽って騒ぎになりましたが、もちろん嘘はいけないのですが、彼をかばう人の中には、中身は十分、MBA取得者に引けを取らない、要は中身だと言ってる人もいましたよね。

私の勧めは、技術の修練(勉強)が7割、残りを経営学に充てて、そして経営者になることを目指してください。大企業の経営者でもいいし、自ら独立を目指す起業家でももちろん構いません。

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大事なことは、経営学そのものの取得だけでなく、自分のポジション(気持ちだけでも最初はいい)を会社、つまり現経営者と同等の位置まで高めることです。そうやって、失いかけた自分を取り戻すことができると私は信じます。

どうやってやるか?まずは、脳の刺激から始めましょう。つまり、世の中で(特に経営学が進んでいるアメリカで)何が起こっているかを見るところからです。

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